Jリーグ第4節F東京vs磐田

前々から注目していたがようやくFC東京の試合がテレビで見れた。新潟相手に4−0の大爆発勝利の開幕から今のところ1位とスタートダッシュに成功しているFC東京が今年から明確に目指している攻撃サッカーが観たかったのよね。

 13戸田光洋
             18石川直宏
       9ルーカス
  16宮沢正史
            27栗澤僚一
       6今野泰幸
17金沢浄          20加地亮
    2茂庭照幸 3ジャーン

       1土肥洋一

見た所、すごく理に適ってるなぁと思うシステムと選手配置。去年まで「堅守」で通ってきたチームなのでナビスコ杯も制したDFラインを計算に入れ、ボランチ1人に3トップと言う攻撃的サッカーに移行している。
3トップはルーカスを中央に左に戸田、右に石川。しかしありがちに考えられる「センターが前に張ってウィング2人がドリブル突破」みたいな形とは全く違う。ルーカスは他の2人よりむしろ後ろにいる場面もよくあるし、まず戸田と石川が違う性質の動きだった。
石川は典型的なウィングタイプでドリブルで突破を図る、ボールを持ってからDFラインに勝負するタイプ。戸田はDFの裏へ飛び出しを中心にスペースへ走りボールを引き出す、ボールを持たずにDFラインと駆け引きをするタイプ。そしてルーカスはくさびを受けたり、DFラインより前でボールを受けるタイプ。
戸田の飛び出しを警戒しラインを下げるとルーカスを自由にし、ルーカスを潰そうとラインを上げると戸田の飛び出しを自由にする。石川がドリブルでつっかけてくるのでラインだけに集中するワケにもいかない。
3人あるいは2人が横並びになる場面はほとんど無く、1人1人が常に違うラインを持っているのでFW3人だけで相手は実質3つのラインにDFラインを対応させる事になる。これは守る側にとってはそうとうイヤな相手だ。
攻撃に移った際、たいてい誰か1人は空いている事になるので後ろからのロングボールも出しやすく、ルーカスのくさびに連動してボールを受けて左右にボールを散らせる宮沢や、運動量で前線からボランチの今野までのフォローに回れる栗澤など、中盤の選手の選び方も適材適所なのだろう。宮沢、栗澤、今野もFWの3人と同じく1人1人がラインをずらして位置するのでラインの継ぎ目やスキマが無く「ラインが間延びする」といった展開を防いでいるし、要所要所では宮沢、栗澤の2人もボランチとなり3ボランチにもなるので見た目以上にバランスが良い。
このチーム作りの結果は一目瞭然。原博実監督は「たまたまチームに来た選手がハマっていった」のではなく元からこのような構成を頭に描いていたのだろうか。だとしたら素晴らしい手腕を持っているのかもしれないね。